グリストラップを初めて清掃するとき、「どこから手を付ければよいのか」「水面の油だけ取ればよいのか」「内部の水は全部抜くのか」と迷う方も多いでしょう。
グリストラップの清掃は、見えている油脂だけを取り除けば完了するものではありません。
バスケットにたまった食品残さ、水面に浮いた油脂、槽底に沈んだ汚泥を順番に回収し、仕切り板、トラップ管、槽内壁面、蓋の裏側なども清掃する必要があります。
清掃の順番を間違えて最初に槽内をかき混ぜたり、大量の水や洗剤を流したりすると、本来回収すべき油脂や汚泥が下流の排水管へ流れる可能性があります。
また、清掃時に取り外した仕切り板やトラップ管を戻し忘れると、グリストラップ本来の油脂分離機能が低下します。
この記事では、グリストラップの清掃方法を初心者向けに、必要な道具、清掃前の準備、場所ごとの作業手順、頻度の考え方、安全上の注意点まで詳しく解説します。
グリストラップ清掃の基本
グリストラップは、厨房排水に含まれる油脂や食品残さを分離し、槽内へ収集する設備です。
一般的なグリストラップでは、次のように汚れが分かれてたまります。
- 大きな食品残さはバスケットに残る
- 水より軽い油脂は水面へ浮く
- 水より重い細かな残さは槽底へ沈む
- 油脂や食品成分の一部は壁面や部品へ付着する
そのため、清掃では汚れの種類ごとに回収する必要があります。
| 汚れの種類 | 主にたまる場所 | 基本的な清掃方法 |
|---|---|---|
| 大きな食品残さ | バスケット | バスケットを取り出して回収する |
| 浮上油脂 | 各槽の水面 | 網やひしゃくですくい取る |
| 細かな食品残さ・汚泥 | 各槽の底 | 専用道具や吸引機器で回収する |
| 付着油脂・ぬめり | 壁面、部品、蓋の裏側 | ブラシや適合する洗浄剤で清掃する |
グリストラップ清掃の正しい順番
初心者が覚えておきたい基本的な順番は、次のとおりです。
- 作業場所の安全を確保する
- 清掃前の状態を写真に残す
- バスケットの食品残さを回収する
- 各槽の浮上油脂を回収する
- 槽底の汚泥を回収する
- 仕切り板やトラップ管を取り外す
- 内部部品と槽内壁面を洗浄する
- 蓋と受座を清掃する
- 仕切り板やトラップ管を元へ戻す
- 水位と排水状態を確認する
- 回収物を適切に処理する
- 清掃記録を残す
ポイントは、洗浄剤を使ったり槽内をブラシでこすったりする前に、食品残さ、浮上油脂、汚泥を回収することです。
先に槽内をかき混ぜると、浮いていた油脂や沈んでいた汚泥が水中へ広がり、回収しにくくなります。
清掃に必要な道具
グリストラップの大きさや設置場所によって必要な道具は異なりますが、一般的には次のものを用意します。
保護具
- 耐水性または耐薬品性のある手袋
- 保護眼鏡またはフェイスシールド
- 長袖の作業着
- 滑りにくい長靴や作業靴
- 必要に応じてマスク
回収用の道具
- 目の細かい網
- 油脂回収用のひしゃく
- 汚泥をすくう柄の長い道具
- 水切りできる回収容器
- 油脂・汚泥を一時保管する蓋付き容器
- 吸水シートや新聞紙
洗浄用の道具
- 柄付きブラシ
- 細部用の小型ブラシ
- スポンジ
- スクレーパー
- 材質と用途に適合する洗浄剤
- 計量カップや専用スプーン
- すすぎ用のホースやバケツ
安全管理用の道具
- 床の養生シート
- 作業中を示す表示
- 蓋を安全に持ち上げる専用工具
- 清掃チェック表
- スマートフォンやカメラ
清掃道具は、食器や調理器具を洗う道具と共用しないでください。
グリストラップ専用として区別し、使用後も洗浄・乾燥させて保管します。
清掃を始める前の準備
厨房機器からの排水を止める
清掃中にシンク、食器洗浄機、ゆで麺機などから排水が流れ込むと、回収中の油脂や汚泥が動きます。
営業終了後など、厨房からの排水が少ない時間に作業しましょう。
周囲の食品や調理器具を移動する
蓋を開けると、臭気や汚れが周囲へ広がる場合があります。
露出した食品、食器、調理器具、包装資材などは、作業場所から離してください。
床を養生する
油脂や汚泥が床へ落ちると、滑りやすくなります。
養生シートや吸水材を敷き、回収容器を手の届く場所へ準備しましょう。
換気する
長期間清掃していないグリストラップでは、強い臭気が発生する場合があります。
厨房の換気設備を使用し、作業場所の換気を確保してください。
清掃前の状態を撮影する
蓋を開けたら、作業前の状態を写真に残します。
特に、次の部分を撮影しておくと便利です。
- バスケットの取り付け位置
- 仕切り板の枚数と向き
- トラップ管の位置
- 各槽の水位
- 浮上油脂の量
清掃後に部品の位置が分からなくなるのを防げるほか、前回との汚れ方を比較できます。
手順1:蓋を安全に開ける
グリストラップの蓋には、ステンレス製、鉄製、樹脂製などがあります。
大型の蓋は重く、油脂が付着して滑りやすい場合もあるため、無理に一人で持ち上げてはいけません。
蓋を開けるときの注意点
- 専用の取っ手や開閉工具を使用する
- 腰だけで持ち上げない
- 必要に応じて二人で作業する
- 手や指を蓋と受座の間へ入れない
- 開けた蓋を通路へ立て掛けない
- 作業者や通行人が落下しないようにする
蓋を外したあとは、裏側を上にして安全な場所へ置きます。
通行人や台車が近づかないよう、作業範囲を明確にしましょう。
手順2:バスケットの食品残さを回収する
最初に清掃するのは、流入口付近にあるバスケットです。
バスケットには、米粒、麺、野菜くず、肉片、揚げかすなどの大きな食品残さがたまります。
バスケットの清掃手順
- バスケットの取っ手を確認する
- 排水が落ち着いていることを確認する
- バスケットをゆっくり真上へ引き上げる
- しばらく水を切る
- 食品残さを回収容器へ移す
- 網目や穴に詰まった残さをブラシで取り除く
- 破れ、穴、変形、取っ手の破損を確認する
- 清掃後は所定の位置へ戻す
バスケットを急に持ち上げると、油脂を含んだ水が周囲へ飛び散ることがあります。
食品残さが多い場合は、一度に持ち上げず、可能な範囲で量を減らしてから作業してください。
バスケットを外したまま使用しない
バスケットを外すと排水が速くなったように見える場合があります。
しかし、大きな食品残さが槽内や下流排水管へ流れ、汚泥の増加や詰まりの原因になります。
清掃後は必ず正しい位置へ戻しましょう。
手順3:水面の浮上油脂を回収する
バスケットの次に、各槽の水面へ浮いている油脂を回収します。
第1槽に最も多くたまり、第2槽、第3槽へ進むほど少なくなるのが一般的です。
浮上油脂の回収手順
- 水面を強く動かさないようにする
- 目の細かい網やひしゃくを水面へ入れる
- 油脂だけをできるだけ静かにすくう
- 水分を切って蓋付き容器へ移す
- 第1槽から第2槽、第3槽の順に確認する
- トラップ管付近の油脂も確認する
槽内を先にかき混ぜると、浮いていた油脂が水中へ広がります。
ブラシ清掃や洗剤使用の前に、できるだけ浮上油脂を回収してください。
第3槽に油脂が多い場合
第3槽まで厚い油脂層がある場合は、単なる清掃不足だけでなく、次の問題も考えられます。
- 仕切り板が外れている
- 仕切り板の位置や向きが違う
- 短時間に大量の排水が流れている
- 設備容量が不足している
- 油脂が洗剤などで細かく分散している
- 長期間、浮上油脂を回収していない
清掃後も第3槽へ大量の油脂が流れる場合は、メーカーや給排水設備業者へ相談しましょう。
手順4:槽底の汚泥を回収する
水面の油脂を取り除いたら、槽底にたまった汚泥を確認します。
汚泥は、バスケットを通過した細かな食品残さ、でんぷん、調味料、土砂などが沈殿したものです。
水面だけを清掃しても、槽底の汚泥は残ります。
汚泥の確認方法
- 柄の長い道具を静かに槽底へ入れる
- 汚泥の厚さや硬さを確認する
- 第1槽から順番に確認する
- 槽底を強くかき混ぜない
汚泥の回収手順
- 浮上油脂が十分に回収されているか確認する
- 汚泥回収用の道具を槽底へゆっくり入れる
- 少量ずつすくい上げる
- 水分を切りながら専用容器へ移す
- 第1槽、第2槽、第3槽の順に回収する
- 槽底に異物がないか確認する
深い設備や大型設備では、店舗スタッフだけで槽底まで安全に作業できないことがあります。
大量の汚泥、固く堆積した汚泥、手の届かない深さの場合は、吸引機器を使用できる専門業者へ依頼してください。
槽内の水は全部抜く必要がある?
日常的なバスケット清掃や浮上油脂の回収では、槽内の水をすべて抜く必要はありません。
壁面や槽底を詳しく清掃するときに、水を抜いたり吸引したりする場合があります。
ただし、設備の構造やメーカーの指示によって方法が異なります。
水を抜いたあとは、次の点に注意してください。
- 内部部品を正しく戻す
- 必要な水位まで水を戻す
- トラップ管が正常に機能する状態にする
- 漏水や異常な水位低下がないか確認する
水を抜いたまま営業を再開すると、排水管側から臭気が上がる可能性があります。
手順5:仕切り板を取り外して清掃する
仕切り板は、槽内の排水経路を調整し、油脂が浮く時間と汚泥が沈む時間を確保する部品です。
油脂や汚泥を回収したあと、製品の構造に従って仕切り板を取り外します。
仕切り板を外す前に確認すること
- 清掃前の位置を撮影したか
- 仕切り板が何枚あるか
- 上下や表裏があるか
- どの溝に取り付けられているか
- 無理なく引き上げられるか
仕切り板の清掃手順
- 上端を持ってゆっくり引き上げる
- 水分を切って養生した場所へ置く
- 表裏に付着した油脂をブラシで落とす
- 溝や通水部分も清掃する
- 割れ、欠け、曲がり、腐食を確認する
- 清掃後は元の位置と向きへ戻す
仕切り板が固くて外れない場合は、無理に工具でこじらないでください。
本体や仕切り板を破損するおそれがあるため、メーカーや設備業者へ相談しましょう。
手順6:トラップ管を清掃する
トラップ管は、最終槽の流出口付近にある部品です。
水面に浮いた油脂ではなく、水面下の比較的油脂の少ない排水を下流へ送る役割があります。
トラップ管の確認項目
- 正しい位置へ付いているか
- 接続部分が緩んでいないか
- 内部に油脂や異物が詰まっていないか
- ひび割れや欠けがないか
- 本体に適合した部品か
トラップ管の清掃手順
- 取り外す前に位置と向きを撮影する
- 製品の構造に従ってゆっくり外す
- 外側の油脂をブラシで清掃する
- 内部の詰まりを確認する
- 破損や変形を点検する
- 正しい向きと位置へ戻す
見た目が似ている市販の配管を代用品として使用すると、水位や排水を取り込む位置が変わる場合があります。
破損している場合は、メーカー名と型式を確認し、純正品または指定された適合部品へ交換してください。
手順7:槽内壁面と内部部品を洗浄する
食品残さ、浮上油脂、汚泥を回収したあと、槽内壁面や内部部品へ残った付着油脂を清掃します。
洗浄の基本手順
- 本体と部品の材質を確認する
- 使用する洗浄剤の表示を確認する
- 必要な保護具を着用する
- 指定された量や希釈倍率で使用する
- ブラシやスポンジで油脂を落とす
- 角、溝、通水部分も清掃する
- 製品表示に従ってすすぐ
- 剥がれた汚れを可能な範囲で回収する
硬い金属製の工具や先のとがったスクレーパーは、本体や部品を傷つける場合があります。
特にFRP製や樹脂製では、表面を削らないよう注意してください。
洗剤を使う場合の注意
- 浮上油脂や汚泥を先に回収する
- 本体と部品の対応材質を確認する
- 指定以上に濃く使用しない
- 必要以上に長時間放置しない
- 異なる洗剤を混ぜない
- 大量の水で汚れを下流へ押し流さない
洗剤によって油脂が見えなくなっても、油脂そのものが消えたとは限りません。
水中へ細かく分散しただけの場合は、下流の排水管へ流れる可能性があります。
手順8:蓋と受座を清掃する
槽内だけでなく、蓋の裏側や本体の受座も清掃します。
蓋の裏側には、油脂、ぬめり、食品残さなどが付着しやすく、悪臭や害虫の原因になることがあります。
蓋・受座の清掃手順
- 蓋を安全な場所へ平らに置く
- 裏側の油脂やぬめりをブラシで落とす
- 取っ手部分を清掃する
- 本体側の受座や溝を清掃する
- 割れ、腐食、変形、がたつきを確認する
- 清掃後は正しい位置へ戻す
受座に食品残さや道具が挟まると、蓋が平らに閉まらず、がたつきや隙間が生じます。
手順9:すべての部品を元へ戻す
清掃後は、取り外した部品を正しい位置へ戻します。
特に確認したい部品は次のとおりです。
- バスケット
- 仕切り板
- トラップ管
- 蓋
部品を戻すときのチェック
- 清掃前の写真と同じ配置か
- 仕切り板の枚数がそろっているか
- 上下・表裏・取り付け位置が正しいか
- トラップ管が奥まで固定されているか
- バスケットが傾いていないか
- 蓋が平らに閉まるか
部品の位置が分からない場合は、推測で取り付けず、取扱説明書や製品図面を確認してください。
手順10:水位と排水状態を確認する
清掃後は、少量の水を流してグリストラップの状態を確認します。
確認するポイント
- 排水がバスケットを通って第1槽へ流れているか
- 各槽へ順番に排水が移動しているか
- 異常に水位が上がっていないか
- トラップ管や流出口から正常に排水されるか
- 本体や配管接続部から漏水していないか
- 蓋が正しく閉まるか
清掃後に排水が遅くなった場合は、仕切り板やトラップ管の取り付け位置、通水部分の詰まりを再確認します。
手順11:回収物を適切に処理する
グリストラップから回収した食品残さ、浮上油脂、汚泥を、排水口やトイレへ流してはいけません。
事業活動から発生した廃棄物として、自治体や契約業者のルールに従って処理します。
| 回収物 | 処理時に確認すること |
|---|---|
| バスケットの食品残さ | 事業系ごみとしての区分・回収方法 |
| 浮上油脂 | 廃油や混合物としての取扱い |
| 槽底の汚泥 | 汚泥としての収集運搬・処分方法 |
| 油脂と食品残さの混合物 | 性状に応じた廃棄区分 |
処理区分は、回収物の状態や自治体によって異なる場合があります。
一律に燃えるごみと判断せず、店舗所在地の自治体や廃棄物処理業者へ確認しましょう。
手順12:清掃記録を残す
清掃後は、実施日、担当者、汚れの量、異常の有無を記録します。
記録したい項目
- 清掃した年月日と時間
- 作業担当者
- バスケットの食品残さ量
- 各槽の浮上油脂量
- 槽底汚泥の量
- 仕切り板やトラップ管の状態
- 本体や蓋の破損
- 排水状態と水位
- 悪臭や害虫の有無
- 回収物の処理方法
- 専門業者への連絡事項
清掃前後の写真を同じ位置から撮影すると、店舗に適した清掃頻度を判断しやすくなります。
場所ごとの清掃頻度の目安
必要な清掃頻度は、店舗の業態、食数、油脂量、営業時間、設備容量によって変わります。
一般的な管理の考え方は次のとおりです。
| 清掃箇所 | 基本的な確認時期 | 主な作業 |
|---|---|---|
| バスケット | 使用日ごと | 食品残さの回収と網目清掃 |
| 水面の浮上油脂 | こまめに確認 | 厚くなる前にすくい取る |
| 槽底の汚泥 | 定期的に確認 | 堆積する前に回収する |
| 仕切り板 | 槽内清掃時 | 付着油脂と取り付け状態を確認する |
| トラップ管 | 定期清掃時 | 詰まり、外れ、破損を確認する |
| 蓋と受座 | 蓋を開けたとき | 裏側の油脂、隙間、がたつきを確認する |
東京都健康安全研究センターでは、特定建築物の衛生管理基準として、グリース阻集器の捕集物を使用日ごとに除去し、7日以内ごとに1回清掃する考え方が示されています。
一般の飲食店についても、日数だけに頼らず、実際の汚れのたまり方を確認しながら頻度を設定することが重要です。
業態別に注意したい汚れ
| 業態 | たまりやすい汚れ | 清掃時の注意点 |
|---|---|---|
| ラーメン店 | 動物性脂肪、スープ、麺、でんぷん | 浮上油脂と槽底汚泥の両方を確認する |
| 焼肉店 | 肉の脂、たれ、細かな食品残さ | 油脂が固まる前にこまめに回収する |
| 中華料理店 | 調理油、スープ、でんぷん | 大量排水や高温排水にも注意する |
| 揚げ物店 | 調理油、揚げかす、衣 | 使用済み油を直接流さない |
| 給食施設 | 大量の食品残さ、短時間の洗浄排水 | ピーク後のバスケットと水位を確認する |
| カフェ | 乳脂肪、軽食の残さ、シロップ | 油脂が少なく見えても定期確認を続ける |
清掃時にやってはいけないこと
大量の水で油脂や汚泥を押し流す
グリストラップから見えなくなっても、下流排水管へ移動しただけです。
配管の途中で冷えたり固着したりして、詰まりの原因になります。
熱湯で油脂を溶かして流す
油脂は高温になると液状になりやすいものの、下流配管で冷えると再び付着します。
熱湯で流す方法は、油脂をなくす清掃ではありません。
洗剤を大量投入して油脂を見えなくする
油脂が細かく分散し、水中へ混ざった可能性があります。
浮上しにくくなった油脂が、そのまま下流へ流れるおそれがあります。
仕切り板を外したまま使用する
排水の滞留時間が短くなり、油脂や汚泥を十分に分離できなくなります。
トラップ管を外したまま使用する
水面付近の油脂が流出口へ入りやすくなり、排水管側から臭気が上がる可能性もあります。
鋭利な工具で本体を削る
本体や部品へ傷、ひび割れ、穴あきを生じさせるおそれがあります。
異なる洗剤を混ぜる
危険な反応や有害なガスが発生する場合があります。
必ず製品表示と安全データシートを確認してください。
初心者が起こしやすい失敗
水面の油だけを取って終わる
槽底の汚泥やバスケットの食品残さが残れば、悪臭や排水不良の原因になります。
部品の位置を記録せずに外す
仕切り板やトラップ管を間違った位置へ戻す可能性があります。
担当者によって清掃方法が違う
写真付きの手順書とチェック表を作り、作業品質を統一しましょう。
回収容器を準備せずに始める
油脂や汚泥を置く場所がなくなり、床の汚染や不適切な排水につながります。
排水が流れている最中に清掃する
浮上油脂や汚泥が動き、下流へ押し流されやすくなります。
清掃負担を減らす厨房側の対策
グリストラップへ入る汚れを減らすと、清掃時間や回収量を抑えられます。
食器や鍋の油脂を拭き取る
洗浄前に紙などで油脂を拭き取ります。
食べ残しをシンクへ入れない
米粒、麺、野菜、肉などを専用容器へ移してから食器を洗います。
使用済み調理油を直接流さない
フライヤーや鍋に残った油は、廃油として別に回収してください。
スープやソースを可能な範囲で回収する
スープ、カレー、たれなどには油脂と細かな食品成分が含まれています。
シンクのごみ受けを活用する
グリストラップへ到達する前にも食品残さを受け止めます。
大量の排水を一度に流さない
シンクや厨房機器の排水が同時に集中すると、槽内の油脂や汚泥が動きやすくなります。
専門業者へ依頼したほうがよい状態
すべての清掃を店舗スタッフだけで行う必要はありません。
次の状態では、グリストラップ清掃業者や給排水設備業者へ相談しましょう。
- グリストラップが深く、槽底へ道具が届かない
- 大量の汚泥が堆積している
- 油脂が厚く固まり、回収できない
- 第3槽まで大量の油脂が流れている
- バスケットを清掃しても排水が遅い
- グリストラップから汚水があふれている
- 下流排水管から逆流している
- 本体や接続部から漏水している
- 仕切り板やトラップ管が破損・紛失している
- 清掃後も悪臭や害虫が続く
| 症状 | 主な相談先 |
|---|---|
| 大量の浮上油脂・汚泥 | グリストラップ清掃業者 |
| 排水管の詰まり・逆流 | 排水管清掃業者、給排水設備業者 |
| 本体のひび割れ・漏水 | メーカー、給排水設備業者 |
| 部品の破損・不足 | メーカー、厨房設備業者 |
| 清掃後も続く害虫 | 害虫駆除業者、排水管清掃業者 |
グリストラップの清掃方法に関するよくある質問
グリストラップは毎日清掃する必要がありますか?
少なくとも、バスケットにたまった食品残さは使用日ごとに確認・回収することが基本です。
浮上油脂や汚泥は、店舗の汚れ方に応じて必要な頻度で回収します。
水面に浮いた油だけ取ればよいですか?
油脂だけでなく、バスケットの食品残さ、槽底の汚泥、仕切り板、トラップ管、蓋の裏側も清掃・点検する必要があります。
槽内の水は毎回すべて抜きますか?
日常的なバスケット清掃や浮上油脂回収では、すべて抜く必要はありません。
全槽清掃では、設備の構造や汚れ方に応じて吸引する場合があります。
家庭用の食器用洗剤を使えますか?
軽い付着油脂の清掃に使用できる場合があります。
ただし、大量に投入して浮上油脂や汚泥を流す方法は避けてください。
熱湯を流せば油脂は落ちますか?
一時的に液状になりますが、下流排水管で冷えて再付着する可能性があります。
清掃後に水を入れる必要はありますか?
水を抜いた場合は、トラップ機能を保てる水位へ戻す必要があります。
製品の取扱説明書に従ってください。
仕切り板の位置が分からなくなりました
推測で戻さず、本体のメーカー名と型式を確認し、取扱説明書や製品図面を参照してください。
清掃しても排水が遅い場合はどうすればよいですか?
トラップ管や下流排水管が詰まっている可能性があります。
大量の水で押し流さず、専門業者へ相談しましょう。
清掃後も悪臭がするのはなぜですか?
槽底の汚泥、蓋の裏側、下流排水管、トラップ管の外れなどが原因として考えられます。
回収した油脂を燃えるごみに捨てられますか?
回収物の状態や自治体の事業系ごみ区分によって異なります。
店舗所在地の自治体や契約業者へ確認してください。
付着油脂の清掃を効率化する方法
グリストラップの清掃では、バスケットの食品残さ、水面の浮上油脂、槽底の汚泥を物理的に回収することが最初の工程です。
これらを回収したあとも、槽の壁面、バスケット、仕切り板、トラップ管、蓋の裏側などには油脂汚れが残ります。
付着油脂が厚い状態では、ブラシ作業に時間がかかり、本体や内部部品の劣化も確認しにくくなります。
有限会社遊翔の「グリスとれ~る」は、界面活性剤を使用せず、アルカリによる石鹸水化作用を利用して、グリストラップや内部部品に付着した油脂汚れの除去をサポートする業務用洗浄剤です。
バイオ、微生物、酵素によって油脂を処理する製品ではありません。
また、食品残さ、水面の浮上油脂、槽底の汚泥を排水管へ流すための製品でもありません。
これらを物理的に回収したあとの付着油脂清掃に使用する選択肢です。
使用前には、本体や部品の材質、製品の使用方法、必要な保護具を確認してください。
商品情報や使用方法は、以下の販売ページで確認できます。
まとめ
グリストラップの清掃は、水面に見える油脂だけを取り除く作業ではありません。
基本的な清掃の順番は次のとおりです。
- 作業場所と保護具を準備する
- 清掃前の部品配置を撮影する
- バスケットの食品残さを回収する
- 各槽の浮上油脂を静かに回収する
- 槽底の汚泥を回収する
- 仕切り板とトラップ管を取り外して清掃する
- 槽内壁面と蓋の裏側を洗浄する
- すべての部品を正しい位置へ戻す
- 水位、排水、漏水を確認する
- 回収物を適切に処理し、清掃記録を残す
洗剤やブラシを使う前に、食品残さ、浮上油脂、汚泥を物理的に回収することが重要です。
大量の水、熱湯、洗剤などで油脂や汚泥を押し流すと、下流の排水管で詰まりを起こす可能性があります。
また、清掃後はバスケット、仕切り板、トラップ管を必ず正しい位置へ戻してください。
バスケットは使用日ごとに確認し、浮上油脂や槽底汚泥も店舗の汚れ方に合わせて定期的に回収しましょう。
大量の汚泥、汚水のあふれ、排水の逆流、本体の漏水などがある場合は、店舗スタッフだけで無理に対応せず、清掃業者や給排水設備業者へ相談することが大切です。
